【受験生・就活生に】京大文学部は就職に不利?友達の実際の就職先を紹介します

こんにちは。ゆきちです。

これは、京大に限らずどこの大学でもまことしやかに言われていることかもしれません。

「文学部なんて、就職先ない」

「文学部は就職に不利」

「文系学部なんて経済学部くらいしか就職先ないでしょ」

こういう声、多くないですか?

実際に調べてみると、某大手質問サイトなどで質問しているのが見受けられます。

「京大文学部に行こうと思っているんですが、就職には不利ですか?」

それに対する回答は、

「文学部なんて就職に不利」

「京大文学部にいくくらいなら、阪大の経済でも行っとけ」

「たいしていいところ就職できないよ」

などなど・・・

これ、一体誰が回答しているんですかね?(笑)

こんなところの回答信じても無駄ですよ。

だって、誰かが僻んで書いているだけかもしれませんよ?

「こいつ、京大に行こうとしているのか。よし、嘘でビビらせて受けさせないようにしよう」

なんて、企んで書かれている回答かもしれませんよ?

そんな本当かウソかわからない人の回答や意見を参考にして、自分が本当に学びたいことを諦めるんですか?

実は、私もそういった情報を信じてしまい、「本当に大丈夫なのかな?」と不安になってしまった人の1人です。

そんな不安な気持ちを味わってほしくない、無駄な心配をしてしまう学生さんや就活生をこれ以上増やしたくないので、私はこれを記事に書こうと決めました。

と、いうことで、わたしの周りにいた文学部の学生や先輩が実際にどんなところに就職したのか、教えようと思います。

京大のHPから卒業生の就職先一覧が発表されているかと思うので、そちらを参考にされるのもいいですよ。

(不特定多数の人が自由に書き込めちゃうところの情報信じるよりかは全然マシ)

ただ、私がここでお話する話は本当にリアルな話です。

実際に彼らがどんな風に、どんなところに就職したいと思い、就職活動をし、就職したか。

それを推測などではなく、実際に傍で見ていましたから、かなりリアルな情報をお届けできるんじゃないかと思います。

では、気になる人・不安に思っている人、是非続きを読んでみてください!

京都大学文学部の就職率は?

一応、正式な数値もご参考程度に紹介しますね。

これは誰かの推測などではなく、実際に京大で作られている「就職のしおり」というものを参考にしたものです。

参考 就職のしおり – キャリアサポートルーム(京都大学)就職のしおり – キャリアサポートルーム(京都大学)

今はこんなものがあるんですね~!(いや、私の時もあったけど知らなかっただけかもしれない(笑))

※ゆきちの在学中も普通にバックナンバーにありました・・・活用しときゃよかった・・・(´;ω;`)

こんな感じで、京大も本当に就職に手厚いし、結構有利なんですよ。

まあ、それはまた追々お話しますが。

さてさて、これは2017年度の卒業生のデータですが、京都大学全学部の卒業生2929人のうち、56.7%の人が進学、33.6%の人が就職をしています。(残りはその他)

こう見ると、「おいおい、進学の方が多いじゃねぇか」と思われると思いますが、基本的に理系の人は院進学するものですから、もちろん数値としては大きくなります。(農学部のある学科は学士でそのまま就職する人が多いと農学部の友達に聞いたことがありますが)

ただ、文系に焦点を当てますと、理系に比べると院進学率は低いです。

[note title=”DATA”]

文学部は卒業生214人中142人が就職

総合人間学部は123人中70人が就職(但し総人は理系も含みます)

教育学部は71人中41人が就職

法学部は325人中194人が就職

経済学部は265人中230人が就職

[/note]

大体半数以上が就職している計算になりますね。

経済学部なんてすごいですね!9割以上が就職しています。

それに比べて工学部なんて975人中853人が進学ですからね!すごいですよね。

京大文学部は就職に不利なの?

どの大学でも文学部が「就職不利」と言われるワケを考えてみた

まあ、冒頭でも述べましたが、これは京大に限らずあらゆる大学で言われていることです。

「文学部 就職」で検索してみてください。

検索窓には、「文学部 就職ない」「文学部 就職 不利」「文学部 就職できない」

京大 文系 就職 不利

ひどいですよね(笑)

まあね、確かに一理あるんですよ。

というのも、理系のように何か実用的なことやある分野に特化したことを学んでいるわけではないので、「自分が何をしたいか、そして大学で何を学んできたのか」をしっかりと認識できていないと、難しいわけです。

例えば、工学部でロボット工学について研究してきて、その分野にある程度精通している人なら、おそらくその分野の知識があるので、それを扱っている会社からするとかなり魅力的な人材ですよね。

経済学部が有利と言われがちなのも、マーケティングを学んでいたり、お金の動きやしくみを学んでいたりと、会社の即戦力になり、利益を生み出してくれるだろうとイメージしやすいからです。

ただ、これらの学部の人だとしても、適当に在籍しているだけでは無理ですよ。

だからどの学部に行ったって一緒です。

文学部だろうが、「自分がそこで何を学び、そこから何を得たか」そして「それをその会社で働くことでどのように活かし利益をうめるか」というのを自覚しアピールできれば、就職なんて余裕ですよ。

これ、シンプルだけど就活で最も大切な要素です。

これだけを意識しているかしていないかでも、就職活動の結果に響いてくるので、就活生の方は是非意識してみてください。

ただどうしても、文学部って何やってるかわかんないし、それが活かせるとも思えないし、しかもやっている本人があんまりよくわかっていないなんていう悲惨なことになりやすいから、そうとらえられることが多いだけです。

(ただ、文学部にいて、ロボットの最先端の会社で研究したい!!っていう具合のものは少々無理があります(;^_^A

そういう場合は、初めから工学部を志望しましょう)

実際京大の文学部の就職率について

先ほどのデータでも示した通り、214人中140人が就職できているわけです。

まあ、半数以上の人が無事に就職先が内定しているということです。

ただ、進学者数は49人。

ということは、その他として23人いることになります。

この「その他」には何が含まれるのかわたしも詳しくはわからないのですが、就職浪人とかの方でしょうか。

他の学部にもちらほらいらっしゃって、

[note title=”DATA”]

総人 7人

教育 3人

法学部 18人

経済 20人[/note]

という内訳です。

もし、この「その他」が就職ができない人の数を示しているとするならば、文学部は確かに他の学部に比べると「その他」の比率が多いわけですから、就職に不利だ・難しいと言われても間違いではないのかもしれません。

ただ、他の年度の数値もざっと調べてみたのですが、総じて文学部だけがこの「その他」の割合が多いわけではありません。

2016年は文学部と教育学部が「その他」の比率が全体の10%ですが、2015年は、文学部における「その他」の割合は9%、教育学部は11.3%、法学部が10.8%でした。

これでもわかりますよね。必ず不利な学部ではないのです。

京大文学部の友達にリアルな就職先を聞いてみた

さてさて、今回の記事のメインである、実際にゆきちの周りにいた文学部生のリアルな就職先についてご紹介しましょう。

リサーチしたのは、計33人です。

では具体的な就職先名称をあげていきます。

実際に就職した企業人数
朝日新聞 2名
共同通信社1名
JR西日本3名
三井住友カード1名
JCB1名
トヨタ自動車3名
教科書出版会社(具体名称は不明)1名
神戸製鋼 1名
東京海上日動(通称マリン)1名
三井住友信託銀行1名
名古屋鉄道1名
京阪電鉄1名
NTT西日本 1名
京都銀行1名
日本郵政1名
KADOKAWA1名
JR九州1名
公務員(市役所・県庁・大学・裁判所・準キャリアなど)4名
ニトリ1名
ワコール1名
佐川急便1名
みずほ銀行1名
官僚1名
高校教師1名
ベンチャー企業(具体名称は不明)1名

※上記の企業はすべて総合職採用枠です。

 内定先ではなく、実際に就職した先です。

これはわたしの周りにいた友達のリアルな就職先です。

先輩や後輩を含めると、もっと色々とありますが、きりがないので、今回はこの程度まで・・・

資料から見る就職先

文学部からでここに挙がっている会社以外に就職している人もたくさんいます。

先ほど紹介した「就職のしおり」によると、有名どころでいえば、

新日鐵住金、文部科学省、メガバンク、Amazon、税関、川崎重工業、講談社、損保ジャパン、JR東海、デンソー、日産、日本航空(JAL)、毎日放送、ベネッセ、楽天、読売新聞、NHK、共同通信社、関西テレビ、関西電力、大阪ガスなどなど・・・

その他もろもろです。

ね?全然就職に不利な学部の就職先名じゃないでしょ?

京大文学部なら、それなりの大企業に就職することは不可能ではありません。むしろ有利です。

本当に学びたいことが学べる大学・学部にいくべし

最後にとっても伝えたいことがあります。

具体的な就職先を伝えたいというよりも、これを伝えたいがためにこの記事を書きました。

就職は人生において大切なことです。

でも、そのために大事なことを犠牲にしたり、本来の目的を見誤らないようにしてほしいのです。

「この会社に就職したい。この〇〇大学の卒業生が多く働いているから、この大学・学部に行きたい」

といった風に、もし、受験生の方で、既に確固たる自分の将来の夢が決まっている方は、是非その夢を叶えられる選択をすると良いと思います。

たとえば、薬剤師になりたい人。薬学部へいくのがいいですよね。

「でも薬剤師になりたいだけではない。こんな研究を大学にいる間にしてみたい」

そんな願望がある人は、是非自分でリサーチしてみて、そのことが学べそうな大学、学べる環境が整っている大学の薬学部を志望校にしましょう。

大学のHPを見たり、オープンキャンパスに行ったり、そこの在校生に話を聞いてみたり。

一番ダメでかつ私がおススメしない選択は、「就職に有利そうだから、興味もないけど志望する」と大学や学部を決めてしまうことです。

先に述べた通り、確固たる具体的な将来像が決まっていれば、それに従って志望校などを決めるといいですが、

ただ、将来就職できるか不安、という理由だけで適当に大学や学部を選択しないようにしてほしいのです。

かくいう私も、実は現役時代はある旧帝大の経済学部を受験したのです。

なぜか?それは「就職に有利そうだった」からです。

そうなんです。あの某大手質問サイトの誰が書いたかわからないような回答や、ネットの情報に惑わされ、そのような選択をしてしまった張本人なのです。

「なんとなく。学びたいことも特にないけど無難だし」といった程度のモチベーションでは、当然受験勉強にも身が入りませんでした。

受験というものは、そこに懸ける想いがより強い人間が勝つものだと思っています。

そんな戦いの場に、ぷらっと何の気なしに挑んだところで勝てるわけないのです。

案の定、結果は不合格でした。必然だと思います。

その後、私はいったい将来何がしたいのか?大学で何が学びたいのか?を自問自答するようになりました。

すると、「私が行きたいのは経済学部ではない。自分の好きなことが精一杯学べる文学部へ行きたい」とある日気づいたのです。

あの時、経済学部に合格していなくて良かったです。心からそう思います。

もし、合格できていても、毎日興味のない授業を受けて面白くもなんともなく、挙句そんな毎日をただダラダラと続けてきた自分が一体何を学んできたのかわからないまま、就活を始め・・・

結局、就活に強いといわれる経済学部に行っても、上手くいかなかったと思います。

そして不毛な4年間となったでしょう。卒論にも苦戦したでしょう。

「就職に有利だから」「選択科目が少ないから」「判定がA判定だから」

もちろん本人がそれで納得し、望むことならばその選択は間違っているとはいえませんが、本当はこんなことをやりたいのに、という気持ちがある人は、自分のその気持ちを大事にしてあげてください。

正直になってみてください。

私がこの記事を書こうと思ったきっかけになったのが、こんな言葉でした。

来年、京都大学を受けることを考えている現在高3の者です。

自分は、本(小説、エッセイなど)を読んだり哲学的なことを考えたりすることが好きなので、興味という点では文学部が自分に合っているかなと思うのですが、就職のことを考えると、経済学部や法学部の方が良いと聞きました。

本を読むことは誰かに教えてもらわなくてもある程度は自分でも出来るし、就職で不利になるのなら(最近不景気ということもありますし)、経済学部や法学部の受験を考えようと思うのですが、京大でも文学部は就職に不利になるのでしょうか。

引用教えて!goo」より

これを見て、すっごく悲しかったんです。

大好きなことがあるなら、極めたいものがあるなら、それを学ぶために大学に行ってほしいのです。

そうでないなら、大学に行く必要はないと思います。

高校までの勉強は、嫌いなものも無理やりやらねばなりませんでした。

でも大学は違います。

自分の学びたいことを学べる、好きな事を探究することができます。

就職に不利かどうかだけで決めてしまうと、結局面白くなくて長続きしなかったり、自分が何をすべきか、何をしてきたかが他人に離せなくなってしまい本末転倒でもあります。

だから、そういう決め方をしてほしくない。

ちゃんと自分と向き合って、その上でしっかり自分でリサーチして、大切な決断をしてほしいなと思います。

悔いのないように、自分の進路を切り開いていってくださいね。

それが私の一番の願いです。